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その87:立川ビジネスセンタービル東南側
素 材 の あ た た か み
Shim, Moon Seup
copyright:photo byS.Anzai
 立川ビジネスセンタービルの東南側に鉄でできた車止めがあります。これは韓国の彫刻家、沈文燮(シム・ムン・サップ)さんの作品「開く」です。
沈さんの作品には「うち捨てられた建物」のようなおもむきがあり、それは人間のぬくもりを感じさせます。コンセプト(感情や感覚など)は素材自体に蓄積されていると沈さんは考え、それを具現化させようという製作活動をしています。沈さんは、ファーレ立川においては、鉄を用いながら普段自分が主に使っている素材であるところの木の温かさをだそうとしました。もちろんそれは、鉄に蓄積されたコンセプトや鉄の持つ温かさも同時に引き出してくる作業になります。ファーレ立川の作品は、車止めという条件が課されているために比較的狭い幅で作られていますが、表と裏がめくれるように交差している形には不思議なあたたかみがあるような気がします。
なお、東京都下、新宿・初台の東京オペラシティには、沈さんの木による作品があります。


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