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その8:新鈴春ビル南側
過 去 ― 現 在 ― 未 来
Nobuho Nagasawa
copyright:photo byS.Anzai
 新鈴春ビル(1階に三和銀行の入っているビル)の南側の歩道は、ささやかな並木道になっています。木の下には、根もとを保護するための、いわゆる「ツリーサークル」と呼ばれる鉄でできた板が設置されています。よく見ると、このツリーサークルには、トンボがじょじょに形を変えて飛行機になるという様子が浮き彫り状に作られています。
このツリーサークルを考案したのは、普段は主にアースワーク活動をしている、ロサンゼルス在住の長澤伸穂さんというアーティストです。ご存じの方もいらっしゃると思いますが、戦中・戦後にかけて立川には飛行場がありました(「ファーレ立川」は、米軍の航空基地が返還された跡地に作られた街です)。また、トンボは、長澤さんが子供の頃武蔵野で見たなつかしい記憶に結び付くものであり、さらには日本が「秋津島(秋津はトンボの古名)」とよばれた古代にまで記憶をさかのぼっていくためのキーワードです。古代の日本と、飛行場の街としての立川の歴史、自分の幼少時の記憶、そして未来に向かって成長していく木、そのような時間の流れがテーマになっている作品です。ツリーサークルは全部で七つあり、そのうちのひとつには作者のメッセージが刻まれています。


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