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その99:コアシティ立川南側(ギャラリーロード)
隠 さ れ た 神 像
Robert G. Villanueva Robert G. Villanueva
普段は扉が閉められています。

copyright:photo byS.Anzai
 コアシティ立川と立川ビジネスセンターのあいだの道の両側には、車止めを兼ねたアート作品が集中しておかれています。そのため、このあたりは「ギャラリーロード」の通称で呼ばれています。
そのコアシティ立川側のギャラリーロードの西端に、茶色い家の形をしたものが置かれています。これ自体はアート作品ではなく、ほこらもしくは厨子のようなものです。実は、この厨子の中には、フィリピンの彫刻作家ロベルト・G・ヴィラヌエヴァさんの作品「都市の神」が納められているのです(ヴィラヌエヴァさんは、1995年白血病のためになくなりました)。ヴィラヌエヴァさんはフィリピンの土着文化に深いつながりを持っていた作家です。そこで、フィリピンと日本の稲作文化の共通性に着目し、フィリピンの稲の神様の像をここに持ってきました。しかし、像は設置した翌日何者かによって壊され、修復した後に、また壊されてしまいました(像は乳房と男根を有する両性具有神で、そのことがある種の嫌悪感をよんだのかも知れません)。そこで、作家と相談した結果、像を「厨子」に納め、年に一回、ファーレ立川がオープンした記念日である10月13日に「ご開帳」しよう、ということになったのだそうです。
ハイテク都市であるファーレ立川に「秘仏」ができてしまったこの事情は、なかなか面白いですし、反面ちょっと考えさせられるような出来事です。


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