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その77:立川TMビル北側ペデストリアンデッキ支柱 |
空 間 を よ み が え ら せ た ア ー ト |
S.Anzai |
ファーレ立川内のペデストリアンデッキの支柱は、基本的に円柱形になるように設計されていますが、立川TMビルの北側の地下駐車場入口の左側にある支柱は、構造上の事情で円柱形にすることができなくなりました。一本だけ異なった支柱を使わざるを得なかったために、この空間は中途半端になってしまったのですが、ここをよみがえらせるために市橋太郎さんという画家が筆をふるいました。
市橋さんは、「作られた完全さはある真実、事実を消す」という主張のもとに、変形キャンバスを用いた制作活動を行なってきました。つまり、この場所自体が市橋さんの制作コンセプトのようなものだったのです。市橋さんは、イレギュラーな支柱を変形キャンバスとして作品を作り上げました。青く塗られた支柱は、「94-82」というタイトルのアート作品となってよみがえりました。
この作品《94-82》のフォームは、この柱の設計者が機能上考え出したものが、偶然に私の一時期の作品と非常に類似したものであったことから生まれた。10年以上の時が経過したが、私に与えられた柱を作品としてみた。
近年の私の興味(作品)は、私のアーティストとしてのアイデンティティを無いに等しいものとすることである。そして、相容れないもの、異質な要素、異なる考え方をひとつの作品の中に同居させることである。 |
市橋太郎「94-82」作者コメントより |
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