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その52:立川TMビル北側、デッキ昇降口
固 定 さ れ た 視 線
Felice Varini Felice Varini
copyright:photo byS.Anzai
 
 立川TMビルの北側のペデストリアンデッキの昇降口には、一見して乱雑に黒い線が描かれています。よく見ると、自動車入口を守っている鉄柵や階段の手すりにも線は描かれており、なにやら意味有りげです。
線の群れを見ながら歩いていくと、徐々に線はつながっていき、ついにはひとつの円になります。この円は、ある特定の方向からしか見えないため、発見したときにはちょっと驚き、うれしい気持ちになります。
これは、スイス生まれ・パリ在住の美術家、フェリーチェ・ヴァリーニさんの作品です。ヴァリーニさんは、建築物にこの作品のような騙し絵的仕掛けを与えることにより、空間を変換し続けています。
この場所の作品は、「背中合わせの円」と名付けられています。ペデストリアンデッキの昇降口の左側・右側に、同じ円が描かれているので、このタイトルが付けられました。二つの円は、昇降口のサインも兼ねているという訳です。
なお、ヴァリーニさんの作品はもう1点、はるか頭上にあります(38)。にわかには気づきがたいのですが、二つの作品は、「視線の水平移動と垂直移動」、「黒と赤」という対をなしています。


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