四国巡り一人旅(徳島編X)   3区 保科 紀一

 8日目 いよいよ室戸岬へ向かう位置までたどりつきました。

ここから室戸岬までは、約80q、3泊ほどすれば何とか着けそうです。先がわからないので朝食を早目にお願いして、7時に出発します。阿佐海岸鉄道に沿って国道55号線が走っています。この55号線を室戸岬まで歩いて行きます。日和佐を過ぎ牟岐町に入ります。牟岐警察の前に「お接待所」が設けてありました。ここで一休み、お茶とイモようかんをご馳走になり 元気回復 先に進みます。

5qほど歩くと、「鯖大師」の看板があります。この寺は、その昔 漁師たちが魚がとれなくなり、困っていたところに弘法大師が通りかかり 話を聞いて哀れに思い自ら3年間の鯖絶ちをし、祈ったところ前のように魚が捕れるようになったので、近隣の人達がここにお堂建て大師を奉ったと言われています。さてここからもう一尾根越えれば「海部」の町に入ります。今日は海部で宿を探します。今日の歩行距離約34q 少し歩き過ぎたかな。

9日目 天気は良さそうです。今日は「野根」あたりで泊まる予定なので、ユックリ朝食を食べていたら おかみさんが『今日はどこまで行くのか』と聞かれたので『野根まで行こうと思っています。』と行ったら『何言ってるの、今からなら尾崎に5時か6時までには着けるから、行きなさい。』と弁当まで用意してくれた。『それなら もっと早く言ってくれればいいのに。』なんて思いながら出発の支度をすることになった。8時出発 5時や6時に入ったら宿も迷惑するだろう、少し急ぎ足で歩くことにします。

1時間半ほどで宍喰のホテル前、ここを過ぎるといよいよ高知県に入ります。休憩しないで歩き続け甲浦( かんのうら) 10時着、白浜海岸で10分休憩。野根に入ったのが11時15分、これではいくら民宿でも早すぎて入れてはくれません。町中を通過し「野根大橋」にかかります。この橋から先 約10qの間には、自販機はなし・途中1か所沢の水が出ている場所があり、人家は1軒もないと言われています。橋のたもとには1台の自販機がありました。ここで水を用意します。しばらく歩くと、そろそろ昼の時間、宿でいただいた「おにぎり」をお茶で流し込む、ついでに「尾崎」の宿へ電話を入れました。 すると『6時ごろになりそうね。』と宿のおかみさんと同じことを言うではないか。まだそんなに遠いのかと(ショック)。 今からヤ−メタと言う訳にもいかないのでとにかく歩くことにします。でも右は海 左は山同じような景色が延々と続いています。

3時間ほど歩いた時 人影が見えました。今まで会うのは自動車ばかり久し振りに人影を見たような気がする。近付いたら 初めての宿で会った人達だった。同じように海部に泊まり、今朝6時15分頃宿を出たと言う。この人達を追い越し先に進みます。まもなく佐喜浜に着きました。なんか空模様がおかしくなってきたと思ったら、雨が降り始めてきました。面倒なので雨具を着けず先を急ぎます。

3時45分到着。宿の人もビックリしていました。少々飛ばし過ぎたようで さすがに疲れました。この宿はすぐ前が海、波の音を子守歌として今夜は早く眠ります。いよいよ明日「室戸岬」に着けることでしょう。本日の歩行距離 約34q。                      つづく