四 国 巡 り 一 人 旅(徳島編 W) 

                        3区 保科 紀一

 
 6日目 今日は山下りがあり、途中「大根峠」の登りもありますが距離的には近く

11,7q ほどなので、出発を遅くしました。

 8時20分出発、ロープウヱ−で太龍寺へ登り そこからスタ−トします。

長い下り坂を歩きます。下るにしたがい膝がガクガクしてきます。おりきったところに

2軒の宿があります。「龍山荘」と「坂口屋」です。この辺りまでで1時間くらいです。

ここからは車道をダラダラと下り、下りきった所が「阿瀬比」と言う集落になります。

 ここからいよいよ「大根峠」の登りになります。しばらく歩くと細い遍路道になり、

坂も急な登りとなります。一汗かいてやっと峠上、風が気持ちいい。そこで拙い一首。

  「玉の汗 流して昇る遍路坂 心しみ入る うぐいすの声」

 
 小休止して ここからは下りになります。少し下ると竹の林が続きます。

シ−ズンには竹の子が遍路道にまではえてくるだろう。でもきっと掘る気にならない、

なんと言っても歩くのに必死 そんな重い物 持って歩けません。

下りきると 田畑が広がる平地になります。川がある。川の中で白鷺が魚を狙って佇

んでいます。のどかですね。川に沿って歩き、やっと22番札所平等寺に着きました。

この寺には「白水の井戸」と言うのがあり、万病に効くと言われています。お参りをす

ませ サテ昼食。寺を出た左に食堂があります。久し振りに店屋物が食べられる。こ

嬉しさに心がはずむ。

 ここから次の寺までは距離があるので、今日はここから電話をして迎えに来てもらい

ます。宿は車で15分ほどの距離で、海の見える民宿でした。

早速 洗濯と足の手入れです。

 
 7日目 今日は峠を1つ越えれば後は車道を歩きます。距離約20.7qです。

宿から平等寺まで車で送ってもらい、イザ出発 あまり良い天気ではありません。門前

より南に向かって直進し桑野川に掛かる橋を渡りさらに直進します。町中を過ぎると、

田畑が広がる田園地帯。前方に山が見えます。この山を越えれば国道55号線に出る

とができます。いよいよ登りになります。家の庭を通り抜けると小さなお堂があります。 

「月夜御水庵」です。このお堂は弘法大師がこの地に宿をとり加持により水を湧かせた

ところ、水底に光る石があり この石に薬師如来を彫り本尊としたと伝えられています。

ここで小休止。

 
 さていよいよ山越しますか。ゆるやかな登り下りを繰り返しやっと国道55号線にでま

した。国道をしばらく歩いたら右手に海辺へのカンバンが出ている。

 急に『海が見たい』と思い、海への道をたどることにする。長い下り坂。と後ろから

「遍路さん 道が違うよ。」との声、振り向くとバイクに乗った女性だ。

「ありがとうございます。ちょっと海が見たいものですから」と言って さらに下る。

踏切を越えると 

「オ−海だ」由岐町 田井の浜。波 静かにして誰一人居ない浜、いいね−。

 
 11時30分少し早いが昼食にする。相変わらず菓子パンにお茶の昼飯だ。

11時50分出発、ところが狭い山道 軽自動車が1台通ることができる程度の道。

それも上がったり 下がったり クネクネと曲がったり この道 どこに出るのかナ。

オッ道標がある。日和佐まで後4q。ガンバロ−! アレ 雨が降ってきた。とりあえ

ずザックカバ−だけを着けてスタ−ト。民宿の看板がある、泊めてもらえるかナ。たの

んでみよう。残念。団体が入り部屋がないとのこと。しかたがない、駅の近くへ行けば

何かあるだろう。雨のためか だんだんあたりが暗くなってきた。踏切を渡ると 正面

に山門が見える。23番札所 薬王寺です。まだ5時前 お参りができる時間なので

拝をすませる。この寺が徳島県最後の寺です。

 さて今夜の宿探しだ。ふと見ると「温泉」の文字、いいね温泉。早速電話をしてみる。

OK。助かった。今夜はホテルに泊まります。大きな浴槽でユックリ足を伸ばして入れ

るのは最高です。

 今回はここまでにさせていただきます。では おやすみなさい。