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   『ことばの遅い子』
ぶどう社  中川信子著  定価1000円

ことばは、人間の大切なコミュニケーションの手段で、多くの育児書や本でも発達のひとつの指標にされたりします。
それだけに、「うちの子、ことばが中々出ないけど大丈夫かしら」、「他の子に比べて言葉が少ない気がして不安」、「なかなか言葉の発音がはっきりしないんだけど、、、」etc,不安や心配は尽きないものですよね。しかも、言葉が遅いのは親の関わり方が問題、といまだに堂々と書いてある育児書や心無い世間の声に、辛い思いをしてませんか?
本書は、言語聴覚士として第一線で多くの子供達と関わっている先生が、脳と言葉のしくみをわかりやすい文章と楽しい図で説明しながら、まずは1人で悩まないこと、そして、もしも遅れていたらどういう原因が考えらて(器質的原因、環境的原因、聴覚的原因など)、どう見守っていったらいいのか、などを優しく教えてくれます。筆者自身も、中川先生の講習会に参加しましたが、穏やかな、心が落ち着くしゃべり方で人を癒してくれる素敵な先生で、
すっかりファンになりました。不安を抱えていても、いなくても、ことばについて、新たな発見になる楽しい一冊です。